カリフォルニア通信

胸が踊るような何かを、カリフォルニアの空の下から。ロードバイクと写真と音楽と物理について。

あけましてグラベルロード(2/3)

sterling-ym.hatenablog.com

あけましてグラベルロード(1/3) からの続き。

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前回の記事ではグラベルロードがどういう特徴を持っているかを理解したので、今回はいよいよその存在意義について。

 

グラベルロード/グラベルバイクの意義

ロードバイクに初めて乗ったときのことを覚えていますか。

風を切る音とともに自分の足で車輪を回して見たことのない景色を見る感動。それこそがきっと誰もが感じるロードバイクの楽しさの一つだと私は思っています。

 

そして、色々と調べていく中でグラベルロードはその感動をもう一歩先で再び味わうための自転車なのだろう、という印象を受けました。

ロードバイクの速さと軽快さをオフロードでも味わえたらどうだろう?

山の向こうにある景色を見るために暗いトンネルではなく未舗装の細い道を自分で探しながら走っていけたらどうだろう?

もう一歩先、というのはそういう意味です。

 

もっと遠くへ

Cyclowiredという自転車サイトにキャノンデールのSLATEを題材にした連載があります。この記事が本当に良作ばかりで、読んでいて自分も参加しているような感動と興奮を伝えてくれる臨場感に惹かれて私は定期的に何度も読み返しています。

土佐編がお気に入り。

www.cyclowired.jp

この「好きなところへ、好きなように」行ける気軽さがグラベルバイクにはあります。

ロードバイクが速さで楽しむものだとすると、グラベルバイクはルートから解放されることで得られる自由を楽しむものなのでしょう。

 

もうひとつグラベルバイクの楽しさを教えてくれるのがこの動画。

www.youtube.com

やたらと重そうなバックパックを背負っているのはあえて突っ込まないとして、この動画はグラベルバイクが「アドベンチャーバイク」とも呼ばれる所以を示しているような気がします。アドベンチャー、大人がちょっと冒険に出てみたくなったときのツールということ。

 

もしくは、普段訪れている峠道から横に伸びているトレイルに入ってみるのも良いかもしれません。ロードバイクは速いからこそ遠くにいけるけど、逆に好みのルートが固定化されてくると目的地に一直線に向かうその過程で多くの横道を無視しているのも事実。

たまには知らない路地、トレイル、未舗装地帯、そもそも道のない荒野、といった場所に行ってみると思いがけなく近い距離に自分の知らないアドベンチャーが待っているかもしれません。

 

実際にどう使うのか

キャノンデールやらGTやらに十分感化されて宣伝文のようなことを書き終えたところで、現実に荒野の果てに住んでいるわけでもない都会人にグラベルバイクが果たして必要なのかというテーゼに向き合ってみましょう。

 

本当に舗装路しか走らない、決まったルートだけしか使わないのであれば、グラベルバイクは不要かもしれません。そもそも似たようなパーツのグレード同士で比較するとロードバイクのほうが往々にして安いのも事実(人気の高まりでエントリーモデルの低価格化が進んできているので)。

 

しかし少しでも自転車に乗って遠くに行くことに喜びを感じる人であれば、グラベルバイクが突如として輝いて見える状況が存在します。

ロングライド。

山をいくつも越えるようなアウトドア寄りのロングライドを想像してみると、グラベルバイクはロングライドに付随するたくさんの問題を一気に解決してくれることがわかります。まず第一にタイヤの空気量が多いから空気圧を低く設定できて、振動が少なく快適に長時間乗れます。未舗装路を恐れる必要もありません。雨が降ってもディスクブレーキで問題なくダウンヒルを走れます。フレームが強いから大量の荷物、場合によってはキャリアをつけての走行も問題ありません。

 

遠くに行きたい人にとって行き先の可能性を広げてくれるグラベルバイクはもしかしたらフルカーボンのエアロな高速バイクよりも魅力的に感じられる場合があるのではないでしょうか。もし既にロードバイクを持っているのであれば(贅沢な話だが)サブ機としてこれほどマルチロールに活躍できる自転車の選択はないはずです。

 

買いました

...ということで、2018年冒頭にいきなりグラベルバイクを購入しました。

記事冒頭に無言で貼った写真が初乗りのときの記念の一枚。ボトルがやたらと目立つのは普段のロードバイクの色に合わせたものしか持っていないから。今後の欲しいものリストに濃い色のものを追加しなければ。(笑)

 

こちらはフイルムっぽい感じに仕上げてみた写真。いつかフイルムカメラを持って写真を撮りながらポタリングしたいけど今のところはジャージのポケットに入るM43カメラが現実的な機材選択です。グラベルバイクなら大きなサドルバッグを付けても良いかも。クロモリフレームにはどんなスタイルも似合いそう。

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ところで、冒頭のロードバイクの楽しさについて、見たことのない景色を見る感動を最初に私に教えてくれたのは漫画でした。鎌倉女子高校自転車部・東京自転車女子・ろんぐらいだあす!...自転車を題材とした名作は意外と多いです。これほど女の子ばかりでなくても良いのではと思うけど、そこはシャカリキ!弱虫ペダルの男臭さで中和されているので案外バランスは良いもかもしれません。初めて自転車に乗る人の感動を描いている漫画に惹かれるし、そういうものが今の自分のスタイルの原型になっているのだと思います。もちろん弱虫ペダルも面白いけど。絵を描いて感動を伝えられる漫画家ってすごいなあ。

 

次回はオンロード&オフロード両方に行った感想とパーツ紹介などを中心に書きます。

ではまた。

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